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2015/12/09

PIXI EVO買ってみました その2 ~ アルカスイス互換化 ~

アルカスイス互換大好きaslanです。
※その理由は 「Arca Swiss互換始めました その1」 の記事をご参照ください。

私はこれまで所有するいくつかの三脚、雲台をアルカスイス互換化してまいりました。
マンフロットのCOMPACTシリーズ とか、ベルボンの雲台 とか。
「PIXI EVO」は雲台の交換が完全に不可なので、クランプを交換することで
アルカスイス互換化を実現しました。
興味のある方は自己責任にてお試しいただければと思います。






さて、アルカスイス互換化は雲台の交換、クランプの交換によって実現します。
一般的にお高い三脚は雲台が交換可能ですし、お高い雲台はクランプが交換可能です。
しかし、私がこれまでアルカスイス互換化してきたのはお安い三脚や雲台なんです。
なので雲台は交換不可ですし、クランプの交換も不可でした。
つまり、「交換」ではなく「改造」によってアルカスイス互換化する必要がありました。

「PIXI EVO」はもちろんお安い部類の三脚に入るもので、アルカスイス互換化には
「改造」が必要になってしまうのです。

「ちょっと改造までする時間はないよ」という方、単純にアルカスイス互換クランプを
「PIXI EVO」に取り付けるという方法もあります。
ただし、購入するアルカスイス互換クランプの取り付け穴が「1/4"-20」規格でネジが
切られていることが必要です。






では具体的に作業をご説明させていただます。

1.雲台部分の分解

まずは雲台部分を分解する必要があります。
分解はネジを外していくだけなのでとても簡単なのですが、めったに出会うことのない
トルクスネジなのです。お近くのホームセンター、アマゾン等で購入出来ます。


星形のこんなやつです。
必要なサイズは2つ。
T20」と「T8」の2つが必要です。
私はビット交換タイプを用意しましたが、一般的なドライバータイプがお薦めです。
分解は「PIXI EVO」の裏側からになります。
矢印のネジ3箇所を外します。
使うのは「T8」サイズのトルクスドライバーです。

ネジが外れるとフタがカポっと外れます。
フタが外れたら開脚の角度を変える部品を外します。
赤く色を付けた輪の部品です。
※「PIXI EVO」の色によって黒、白、赤だったりします。
その部品を外すと次のネジが見えます。
矢印のネジ3箇所を外します。
ここも「T8」サイズです。

このネジを外すと雲台のボールにアクセス出来ます。
雲台が真っ二つに分解出来ました。
部品点数は少ないので特に難しいことはありません。

次に、ボールとクランプを切り離します。
ボールとクランプは「T20」のトルクスネジで固定
されています。
このネジは深い所にあるので、ビット交換タイプでは
なくドライバータイプがお薦めです。
ビット交換タイプだとネジまで届きません。
(ビットを半分だけ挿すとかすれば届きますが)
ボールとクランプが分離するとこんな感じです。
※写真はタップ加工後のボールになります。

これで雲台部分の分解は完了です。






2.ボールにクランプ接合用のネジを切る

ボールが単体になるまで分解出来たら、次にクランプ接合用にネジを切ります。

通常、ボールとクランプの接合には「M6-1.0」という規格のネジが使われています。
しかし私は間違えて「1/4"-20」という規格でネジを切ってしまいました。。。
ちなみに、「1/4"-20」というのはカメラの底に開いている三脚穴のネジ規格です。

「M6-1.0」の規格でネジを切るか、「1/4"-20」の規格でネジを切るか、これは皆さんの
判断で決めていただければと思います。オススメは「1/4"-20」です。理由は後述します。
※以降の説明は「1/4"-20」でネジを切った場合の説明になります。
※ネジの種類に関しては 過去の記事 をご参照ください。


 写真は既にネジを切った後なのですが、元は内径
5.2mmの穴が開いている状態です。

「1/4"-20」の下穴径 = 5.1mm
「M6-1.0」の下穴径 = 5.0mm
下穴径は「1/4"-20」のほうが近いんです。
 ネジ切りには「タップ」というドリルの刃のような
工具を使います。T字の部分はタップを手で回す
ためのハンドルです。
使い方は検索していただければと思います。
 無事にネジが切れるとこうなります。
ボールを手で持ってネジを切るのが難しい場合、
ボールを布の切れ端で包み小さな万力でボールを
挟むと作業が楽です。

ネジが切れたら分解の逆の手順で組んでいきます。






3.クランプを取り付ける

ネジが切れたらクランプを取り付けます。

「1/4"-20」規格でネジを切ると、クランプの加工が不要ということもあります。
「M6-1.0」規格のネジで固定するクランプは裏側に突起、ないし凹みがあります。
何かしら手を加えないと「PIXI EVO」のボールには取り付けられません。
対して「1/4"-20」規格のネジで固定するクランプは裏側に突起も凹みもないものが多いです。
なのでそのまま「PIXI EVO」に取り付けることが出来るのです。

それと、ボールとクランプの間にスペーサーを挟む必要があります。
スペーサーを挟む理由は、ボールとクランプの距離を離したいからです。
詳細は後述します。


「1/4"-20」規格でネジが切られたクランプです。
今回取り付けたものがこれです。
裏面に突起、凹みがなく、ネジが切られていることが
お分かりになるかと思います。
「1/4"-20」のオス-オスのネジなんですが、これを
ボールとクランプの間に挟みます。
真ん中のナットの厚み分、ボールとクランプの間の
スペーサーとして機能します。
 ボールにネジを付けるとこんな感じ。
そこに、「1/4"-20」のネジが切られたクランプを取り付けるとこんな感じ。
非常にいい感じでございます。






最後に、クランプを交換するデメリットに関して書いておきたいと思います。
それは「PIXI EVO」の特徴でもある縦アングル撮影に関してです。
クランプを交換すると、縦アングル用の位置にクランプを持ってきても90度水平には
なりません。

「首の長さ」というんでしょうか、ボールとクランプの間の距離です。
元のクランプは首の長さが長くて細いんです。なので縦アングル用の溝に首が収まります。
しかし、クランプ交換後スペーサーを挟まなかったり、スペーサーがナットの厚み分しか
なかったりすると、縦アングル用の溝に首が完全には収まらないんです。
そのため90度水平にならなくなってしまうのです。



しかぁーーーーーーーーーしです。
言うまでもありませんが、アルカスイス互換のクランプを使う理由はL型プレートです。
縦アングル用の位置にクランプを合わせなくても縦アングル撮影が可能なのです。
よってL型プレートを使う場合はデメリットになりません。

ただし、L型プレートを使っていないという方、星を撮るなどカメラを天空に向けたい方。
そういう方はクランプ交換をしないか、スペーサーを増やす等対策が必要です。




以上参考にしていただければ幸いです。
※ただしあくまで自己責任にてお願いいたします。





















































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