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2015/06/10

ベルボンの自由雲台をアルカスイス互換化 その3

縦位置撮影が楽なL型プレートを導入し、最も効果を実感したのはミニ三脚かもしれません。


ミニ三脚に使えるような小さなアルカスイス互換雲台というのはあまりありません。
「Really Right Stuff BH-25」あたりはミニ三脚に適したサイズですが、2万円近い金額で
ミニ三脚用雲台として考えるとなかなか手を出しづらいです。

そこで私は「Velbon QHD-33」と「Velbon QHD-43」のクランプをアルカスイス互換
クランプに交換し、それをミニ三脚に取付ました。






ミニ三脚というのは縦位置撮影がとても苦手です。
下の写真左側の「マンフロット ポケット三脚L」だと小さ過ぎて縦位置撮影は無理です。
下の写真右側の「マンフロット 209」なら縦位置撮影も可能ですが、重心が中心から
ズレるので脚の位置に気をつけないと安定しません。


それが冒頭の写真のように、L型プレートとアルカスイス互換クランプを使えば簡単に
縦位置撮影が出来ちゃうんです。






さて、「その3」では私が取り付けたクランプに関して書いておきたいと思います。

私が購入したのはスライディングクランプとか呼ばれているもので、小型のクランプを
2組連結して使うものです。私はクランプが2組欲しかったのでちょうど良かったのと、
2組で1,950円と安かったのでこれを選びました。

ただ、このクランプが本当に質感が高いんです。これには驚きました。
Amazonで購入して中国から直送だったのですが、ツマミの質感もいいし、ツマミを回すと
「ヌメっ」と回るし、色使いがRRSっぽいのもGOODです。
1組975円にはとても思えないものでした。オススメです。
ブランド的には「NEEWER」というブランド名で、Amazon、eBay等で売られています。






で、「その1」でも書きましたが、クランプと雲台の取り付け部分というのは明確に規格化
されていないようで、メーカー毎に仕様が異なるというのが現実です。
なので、必要に応じクランプ側を加工する必要が出てきます。
特の私が使ったクランプは雲台に取り付ける用のものではないので要加工です。

まず、片方(下写真左側)は皿ビスの頭が埋まるためのザグリ加工がされていませんでした。
私は13mm径のドリルを使ってザグリ加工をしました。
持ち込みでそういった加工をしてくれる業者があるのか分かりませんが、ドリル等
お持ちであれば簡単な加工だと思います。



そしてもう一つ。裏面の突起をヤスリで削る必要がありました。
片方(下写真左側)のクランプは十字のカタチで凹んでいました。
「Velbon QHD-43」のクランプ取り付け部は凹でした。クランプ凹、雲台凹なので
取り付け可です。

で、もう一方(下写真右側)のクランプは裏面が凸でした。
クランプ凸、雲台凹なので取り付けられそうですが、凸凹のカタチが合わないんです。
なのでクランプ側の凸を削り、平にして凹の雲台に取り付けました。



ただ、本来は雲台側とクランプ側の凸凹がきちんと噛み合うことが望ましいのです。
凸凹が噛み合うことでクランプが回らなくなるんです。

以上の加工をすることで2組のクランプを2組の雲台に取り付けることが出来ました。







最後にネジについて書きたいと思います。
三脚の世界にはよく出てくるネジが3種類あります。

最も出てくるのが「UNC 1/4"-20」です。
これはカメラ底面にある三脚穴のネジ穴の規格です。三脚にカメラを固定する、
プレートをカメラに固定する、その規格がコレです。「細ネジ」とも呼ばれています。
これはインチネジと呼ばれているもので、インチ規格(ユニファイ)に沿ったネジです。
「1/4」というのはネジの太さで、「1/4インチ」ということです。
「20」というのはねじ山のピッチで、1インチにあるねじ山の数です。

次によく出てくるのが「UNC 3/8"-16」です。これもインチネジです。
これは三脚と雲台を接合するためのネジ規格です。「太ネジ」とも呼ばれています。
ただ、小型三脚は「UNC 1/4”-20」で雲台を接合するものが多いです。

そして「M6-1.0」。
一般的に雲台とクランプを接合しているネジ規格がこれです。
これはミリネジとかメートルネジと呼ばれていて、私達に馴染みの深いメートル規格の
ネジです。
「1.0」はねじ山のピッチです。メートルねじでは山と山の間隔の長さをピッチとする
そうです。つまりねじ山の間隔が1mmということです。


今回は雲台とクランプの接合なので「M6-1.0」規格のネジを使います。
私が購入したスライディングクランプにはこのネジが1本同梱されていました。
私は2台の雲台にクランプを固定したかったので1本足りません。
なので私は2本で200円のものを渋谷東急ハンズで購入しました。
カメラ屋さんでも買えると思いますし、Amazonでも購入可能です。
ちなみに、雲台によって当然長さは変わると思いますが、私が所有している雲台はネジの
長さが20mmのものでした。長さを確かめてから購入してください。







色々と工具が必要になったり、改造が必要になったり、雲台のクランプ交換というのは
なかなかハードルが高いなと感じました。

ただ、サイズ、価格、使い勝手の面で自分の好きな雲台と好きなクランプの組み合わせが
自由に選べるのは素晴らしいと思います。
手先の器用さ自信のある方は自己責任にてお試しいただければと思います。






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