アレクサで最も便利に感じているのは声によるシーリングライトのON/OFFです。
しかし、1つだけ不満に思っていることがあります。それは、
「手で壁スイッチを押せば0.3秒、声だと3秒かかる」
という点です。
「アレクサ、電気点けて」で1.5秒、実際に電気が点くまでに1.5秒程度。
急いでる時の3秒は地味にストレスです。
両手に荷物を持っている時、壁スイッチに手が届かない時、声でシーリングライトを
操作出来ることがとても便利だと感じます。
しかし、両手があいていて、壁スイッチに手が届く時も2割くらいはあるんです。
そういう時、「3秒待つのって億劫だな」と感じるんです。
そこで、その2割の億劫を改善してくれるのが「WiFi内蔵壁スイッチ」です。
1.「WiFi内蔵壁スイッチ」が必要な理由 |
さて、シーリングライトを声で操作している方のほとんどがリモコン操作対応の
シーリングライトを使っていると思います。私もそうです。
Alexa or GoogleHomeとWiFi内蔵学習リモコン(クラウドリモコン)を使えば簡単に
シーリングライトが声で操作可能になり、とても便利です。
でも、「壁スイッチ押した方が早い!」って時もあるんです。
それなら壁スイッチも使えばいいじゃないかと思うのですが、壁スイッチは使えません。
なぜなら、壁スイッチでシーリングライトを消してしまうと声で点けられないからです。
例えば、テレビの主電源が切れていたらリモコンでテレビを操作出来ません。
なのでテレビを主電源で消す方はあまりいないと思います。
同じように、シーリングライトを壁スイッチで消すと声で点けられないんです。
これが壁スイッチを使えない理由です。
しかし壁スイッチでシーリングライトを消した後、声で明かりを点けられるように
出来るアイテムがあります。それが「WiFi内蔵壁スイッチ」です。
WiFi内蔵壁スイッチは普通の壁スイッチのように手で押してシーリングライトを
ON/OFF出来るのは勿論のこと、WiFiを内蔵しているので声でもそのスイッチを
ON/OFF出来るんです。
2.「WiFi内蔵壁スイッチ」は特殊 |
というわけで私はWiFi内蔵壁スイッチをポチり、1種電気工事士資格を持つ弟に
「壁スイッチをコレに交換したいんだけど」とWiFi内蔵壁スイッチを見せました。
すると「これは無理だよ」と言われてしまいました。
弟が言うには、配線が足らないらしいのです。
壁スイッチなんて普通のでもWiFi内蔵のでも同じだと思っていました。
しかし普通の壁スイッチがついていた場所にWiFi内蔵壁スイッチをつけようと思ったら、
配線を追加しないといけないようなんです。
そんなことまったく知らずにポチっていました。。。
これは何も私の部屋の配線が通常より少ないというわけではなく、
WiFi内蔵壁スイッチが壁スイッチとしては特殊なんです。
そんなわけで、普通の壁スイッチが付いていた場所にWiFi内蔵壁スイッチを
取り付けるには配線工事が必須となります。
私の勘違い、間違い等もあるかもしれませんが、電気工事士の弟に聞いた話を
整理し、出来るだけ分かりやすくご説明したいと思います。
※正確さより分かりやすさ重視で説明しています。ご了承ください。
3.配線の基本 |
まずは配線の基本です。
小学生、中学生時代に習ったと思いますが、「直列」と「並列」についてです。
分電盤から出て、部屋に来ている電気の線というのは
- シーリングライト
- 壁スイッチ
- コンセント
それぞれを配線するルールは簡単で、
- 壁スイッチと機器は「直列」に配線
- 機器同士は「並列」に配線
壁スイッチは機器と直列に配線しなければスイッチの意味をなしません。
なのでON/OFFしたい機器と直列に壁スイッチは配線されています。
対して、電気を消費する機器同士は並列に配線します。
機器同士を並列に配線することで、全ての機器に等しく100Vの電気が供給されます。
以上を踏まえ、「WiFi内蔵壁スイッチ」の配線をご説明します。
4.「WiFi内蔵壁スイッチ」は ”スイッチ” であり ”機器” でもある |
WiFi内蔵壁スイッチは特殊だと前述しましたが、普通の壁スイッチと比較して
何が特殊なのかというと、「 ”壁スイッチ” であり”機器” でもある」という点です。
WiFiの送受信機能を内蔵してるので、それ自体が電気を消費する機器なんです。
壁スイッチと機器は直列、機器同士は並列に配線すると前述しました。
なので、”壁スイッチ”であり”機器”でもあるWiFi内蔵壁スイッチはシーリングライトと
「直列」かつ「並列」に配線する必要があります。
普通の壁スイッチがついていた場所であれば「直列」に配線することは出来ます。
シーリングライトと直列に配線するために必要な線は来ているからです。
が、その他機器と並列に配線するための線は来ていません。
なぜなら、その他機器と並列に配線する必要が普通の壁スイッチにはないからです。
下の図で言うと、赤い点線部分がその他機器と並列に配線するための線です。
これが「配線が足らない」理由で、「配線工事が必須」な理由です。
ちなみに、私が購入したWiFi内蔵壁スイッチは2,000円ほどでした。
安物だからその他機器と並列に配線しなければいけないのではないかと思いました。
そこで、パナソニックから出ているWiFi内蔵壁スイッチ(※)を調べてみました。
すると、パナソニックのものもやはりその他機器と並列に配線する必要がありました。
要は安物でもそうでなくても、WiFiを内蔵していれば電気を消費するということです。
※パナソニックのものはWiFiではなく、独自の電波を使う方式のようです。
もう一つちなみにです。
普通の壁スイッチをはずし、WiFi内蔵壁スイッチを取り付けても配線が不足しない
場合があります。それは、「壁スイッチ」と「コンセント」のコンビネーションが
取り付けられている場合です。この場合にはコンセントの口があるので、
その他機器と並列に配線するための線が来ています(下の図の赤線部分)。
あまり壁スイッチとコンセントのコンビネーションはないと思いますが、
この場合には配線工事が不要です。
5.配線工事の概要 |
WiFi内蔵壁スイッチをその他機器と並列に配線するのに不足する線。
この線を「ニュートラル線」と言います。
これは単純にマイナス側(正確には接地側と言うそうです)から機器に入る線のことで、
日本でも海外でも、電気工事界隈ではニュートラル線(略すと「N」)と言うそうです。
私が購入したWiFi内蔵壁スイッチには「Neutral wire required.」と書かれていました。
ちなみに、日本では一般的にニュートラル線には白いケーブルが使われるそうです。
そのため機器によってはニュートラル線の接続端子に「W(ホワイトの略)」と
書かれている場合もあるようです。
逆に、プラス側(正確には非接地側と言うそうです)はライブ線(略すと「L」)と
言い、日本では一般的に黒い線が使われるそうです。
もう一つ。
壁スイッチを開け、スイッチに接続されている線を確認してみてください。
(※線の接続、取り外しをしなければ電気工事士資格がなくても大丈夫だと思います。)
スイッチに黒い線と白い線が挿さっていると思います。
黒い線は高い確率でライブ線です。辿っていけばその先は分電盤です。
問題は白い線です。一般的にニュートラル線には白い線が使われると書きました。
ではスイッチに挿さっている白い線がニュートラル線かと言うと、それは違います。
スイッチに挿さっている白い線は通称「帰り」と言われる線で、その行き先は
シーリングライトです。要は壁スイッチとシーリングライトを結んでいる線です。
(スイッチが2つ付いている場合は赤い線もあり、赤い線も「帰り」です。)
「帰り」と呼ばれる理由、その線に白い線が使われる理由は書きませんが、
WiFi内蔵壁スイッチの「OUT(もしくはLOAD)」と書かれた端子には
「帰り」の白線を接続します。
以上踏まえ、具体的な配線について3種類の方法をご説明します。
なお、ニュートラル線の配線自体は電気工事士資格がなくても問題ないと思いますが、
ニュートラル線とコンセントの接続、ニュートラル線と壁スイッチの接続などは
電気工事士資格が必要です。ご注意ください。
運任せだが楽な方法:近くのコンセントからニュートラル線を引く |
WiFi内蔵壁スイッチを取り付ける場所の近くにコンセントがある場合、
そのコンセントからニュートラル線を引く方法です。
この方法は運任せですが、楽な方法です。
というのも、コンセントから引いてくるニュートラル線は壁の中を通して
壁スイッチまで引きますが、壁の中には
- 壁の補強材
- 断熱材
運が悪ければ補強材が貫通を妨げるように配されていることもあり、
コンセントからニュートラル線を引いてこれない場合もあります。
仮に電気工事士に来て試してもらっても、「線通りませんでした」という
可能性もおおいにあります。なので運任せな方法です。
私の弟は太さ5mm、1本が長さ1.5mほど、それが複数本連結出来る
プラスチック製の棒を使っていました。
これは針の穴に糸を通す「糸通し」みたいなもので、針の穴ではなく
壁の中を、糸ではなく電線を通すための道具です。
壁スイッチの穴から壁に棒を入れ、コンセントの穴から棒の先端を出します。
そして電線を結んだ棒を引き抜くと電線が壁を貫通するといった具合です。
絵にしてみるとこんな感じ。
写真で見るとこんな感じです。
弟が言うには、この作業を電気工事士に頼むとそこそこの金額取られるだろうと
言っていました。お安く済ませたい方は、この棒を通す作業までご自身で事前に
行っておくとよいと思います。
棒は適当な長さ、硬さのものをホームセンターで買って下さい。
壁スイッチとコンセントを壁から外し(電線を外してはダメです)、壁の中に棒を
突っ込んで、壁スイッチの穴からコンセントの穴まで棒を通します。
この棒が通っていれば、あとは電気工事士がちょいちょいっと電線を接続して
配線工事は完了します。
可能性は高いが疲れる方法:シーリングライトからニュートラル線を引く |
もう一つの方法は、天井裏にあるシーリングライトのジョイント部分から
ニュートラル線を壁スイッチまで引いてくる方法です。
最初私の弟はコンセントからニュートラル線を引く方法ではなく、天井裏の
ジョイント部分からニュートラル線を引く方法を薦めてきました。
電気工事士的には天井裏案のほうが確率が高いという判断なのだと思います。
というのも、シーリングライトのジョイント部分から壁スイッチまで既に1本電線が
通っています。既に電線が通っているということは、電線を遮るような補強材が
ないということです。その線と同じところにニュートラル線を通せばいいわけです。
さらに、もし既に通っている線が壁の中で固定されていなければ、その線を前述の
棒のように使いニュートラル線を通すことも出来ます。
それだと間違いなくニュートラル線を追加で通すことが出来ます。
が、天井裏にアクセスするというのは骨が折れますし、天井裏にアクセス出来るか
どうかという問題もあります。
コンセントからニュートラル線を引く方法より可能性は高いですが、面倒臭さ、
難易度はこちらのほうが高いと思います。
なので、コンセントからニュートラル線を引く方法がダメだった場合に
この方法を検討してみてください。
簡単で確実な方法:露出配線 |
そしてこれは最後の手段ですが、ともかく簡単にニュートラル線を壁スイッチの
場所まで引いてきたいという場合、「露出配線」という方法もあります。
これまでご紹介したのは壁の中、天井裏にニュートラル線を通す方法でした。
この方法なら電線は表に出ないので見えません。
しかし壁の中や天井裏に電線を通すのはなかなか大変な作業です。
また、前述した通り100%確実に線が通るというわけでもありません。
そこで、コンセント、シーリングライト取付部の根元からニュートラル線を
壁、天井の表に出し、壁や天井を這わせて壁スイッチまで引いていくる方法が
「露出配線」です。この方法だと配線工事がとても簡単になりますし、
100%配線することが出来ます。
また、壁に穴を開けなくてもニュートラル線を壁の表に出すことが出来るので、
賃貸などであっても大丈夫だと思います。
ただし見えるところを電線が這うので、部屋の景観を損ねることにはなります。
インテリアよりも使い勝手を優先したいという方ならこの方法でもよいと思います。
電線が壁や天井を這うといっても、電線を綺麗に隠す「ケーブルカバー」を
ホームセンターで買ってくればそこそこ綺麗に配線することも可能だと思います。
6.その他の注意事項 |
最後に、WiFi内蔵壁スイッチを取り付けてみて気づいた事をいくつかご紹介します。
壁スイッチ自体が大きい |
中にWiFiの基盤やらACDCコンバーターやら入っていると思われるので、
一般的な壁スイッチよりも幅、奥行きともに大きいです。
私の場合、元々ついていたのはパナソニックのもので、
- 幅42mm
- 奥行き22mm
幅は5mmほど、奥行きは約1cmも大きかったです。
なので、壁スイッチの裏にあるボックスに押し込むのが難しかったです。
またネジがむき出しで、うっかり触ってしまうと電気が来ると思われます。
作業する時はブレーカーを落とすなどしたほうがよいかと思います。
タッチパネル式は避けたほうがよい |
WiFi内蔵壁スイッチには「タッチパネル式」のものが多い印象です。
タッチパネルなら構造がシンプルで、低コストでも耐久性が上がるんだと思います。
私は最初タッチパネル式のものを買って使っていたんですが、使いにくいので
アナログスイッチ式のものに交換しました。
なぜなら、タッチパネル式はノールックで押せないからです。
タッチパネル式はタッチに反応する場所が限られていますし、一定時間触わらないと
反応しません。ノールックで押すのはほぼ無理です。
対してアナログスイッチ式は手で触れば押すべき場所が分かりますし、カチッと鳴るまで
スイッチを押せば確実にON/OFF出来ます。これならノールックでスイッチを押せます。
値段はどちらも同じようなものなので、アナログスイッチ式のものを強くお勧めします。
新築を考えているなら壁スイッチにニュートラル線を引いておく |
あと5年もすれば壁スイッチは声でも操作出来るのが当たり前になると思います。
言い換えると、壁スイッチにニュートラル線を引くのが当たり前になると思います。
しかし、街の電気工事屋さん、建築屋さんにその考えが浸透するにはまだ少し時間が
かかるでしょう。
今AlexaやGoogleHomeを使っていなくても、5年後には声でシーリングライトを
操作したいと考えるかもしれません。
家を建てる予定のある方、今設計をしてもらっているという方、
壁スイッチにニュートラル線を追加してもらうことをお薦めします。
以上、「WiFi内蔵壁スイッチ」についてでした。
参考にしていただければ幸いです。
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