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2014/08/22

Dove / BYA412 / AL-FDB140 その6 ~ 多段化 その4 ~

Dove(BYA412/AL-FDB140)の多段化カスタムも最終段階です。
今回は削ったスプロケを装着したホイールをフレームに取り付けていきます。


Doveのエンド幅は85~87mmくらい、装着するハブ(Sturmey Archer SRF3)のOLDは
96~98mmくらい。エンド幅を拡げないとフレームに装着することは出来ません。

鉄フレームだと、「こんな感じ」 でエンド幅を拡げるようです。
上記ブログの方は126mmのエンド幅を130mmに拡げるため、一度強制的に153mmまで
ボルトを使いエンド幅を拡げておられます。
そのまま12時間放置したところ、ボルトを外しても132mmくらいに落ち着いたと。

つまり多めに拡げ時間を置き、ボルトを外すといい具合のエンド幅になる。
という感じなのです。
しかし、アルミフレームは鉄ほど粘りがないので多めに拡げるとか、時間を置いておくと
いい具合の幅に落ち着くといったことは出来ません。
なので、

「エンド幅を拡げているスキにハブ(ホイール)を装着しちゃう」

という方法しかないのです。
私は「ターンバックルを加工したモノ」でそれを実現することが出来ました。






通常エンド幅を拡げる場合、ハブを装着すべき場所にボルトを通し、ナットを回して幅を
拡げます。しかし、「拡げているスキにハブを装着しちゃう」場合、ハブを装着すべき
場所にボルトを通しておくことは出来ません。
ボルトがあったらハブが装着出来ないからです。

そこでヒントになったのは 「中国の自転車掲示板」 です。
その方法は、リムとハブの間にボルトを入れてエンド幅を拡げ、そのスキにハブを
装着するという方法です。
この方法が自転車界で一般的なのか分かりませんが、巧い方法だなと思いました。



しかし、ハブを装着すべき場所にボルトを通し幅を拡げることは容易ですが、リムと
ハブの間にボルトを挟みフレームを押し拡げることはとても難易度が高そうでした。
しかも彼らはこのボルトをハンマーで叩いてフレームを押し拡げているように見えます。
フレームに傷も付きそうです。

そこで私思い付いたのです。ターンバックルを使えば簡単に出来るのではないかと。
実際とても簡単にハブを装着出来たのでご紹介したいと思います。






用意するのはターンバックルです。

あまり馴染みのない道具だと思うのですが、建物やプレハブの強度を高めるために
使われることが多く、目にされたことのある方も多いだろうと思います。
基本ワイヤーなどを引っ張るための道具です。
これは引っ張るための道具ですが、逆に使えば押し拡げることにも使えるわけです。
通常そんな使い方はされないと思いますが。。。

このターンバックルには色々条件があるのですが、まずはボディ(?)の長さです。
76mmくらいのものをご用意ください。



別に60mmでも70mmでもいいのですが、76mmを超えない範囲で出来るだけ大きめの
ものが良いです。その理由は後でご説明します。

ターンバックルは規格があるようで、インチ数によって種類が分かれているようです。
私は東急ハンズ渋谷店にて「サイズ 1/4」というサイズのものを買いました。
それが長さ76mmでした。これが完璧なサイズなんです。ちなみに値段は1個160円です。
(2014/09/02追記:この1/4インチというのはネジの太さのようです。)


で、そのターンバックルの両端を切り落とします。
鉄を切るためののこぎりを使えば簡単にカット出来ます。
先っぽを少し出した状態で80mmになるのが理想的です。
これはDoveのエンド近くのフレーム幅です。正確には82mmくらいな感じですが。
つまり、先っぽ1~2mmくらい出した状態で82mmを超えるようだと使えません。



そしてカットする場所も重要です。
ネジ山の終わったところ。↓写真の「OK」の場所で切ってください。
「NG」の場所、つまりネジ山がある場所で切ってはダメです。理由は後でご説明します。

それと、もしターンバックルを一番短い状態にしても80mmに収まらないような場合は
ネジの反対側もカットします。
両端を切り落とした↑の写真で左右のネジの長さが違うのがお分かりになるかと思います。
右側が長く、左側が短いです。左側のみ1cmくらいカットしました。



そして切った先っぽですが、やすりをかけてこんな感じでドーム型にします。
ポイントは「OK」の場所でカットし、「OK」の場所をドーム型にすることです。
「NG」のネジ山部分でカットしてドーム型に削ると奇麗なドーム形状になりません。
なのでネジ山の終わった「OK」部分でカットしてください。



「出来るだけ大きなターンバックル」の理由ですが、ドーム型の先っぽ部分の直径が
4mm以上でないと使えないからなんです。

この写真は「OK」部分の太さを測っていますが、直径5.5mmくらいでしょうか。
大きなターンバックルのほうが太さが太いんです。
なので76mmを超えない出来るだけ大きなものが良いのです。



で、何が4mmかと言うと、フレームにある↓の穴です。この穴が4mmくらいなんです。
この穴に「ドーム型の先っぽ」を押し当ててエンド幅を拡げたいのです。



ターンバックルのドーム型の先っぽが4mm以下だと穴に入っちゃうわけです。



なぜドーム型の先っぽを穴に当てる必要があるかと言えば、ツルっと滑らないからです。
フレームはツルツルです。さらにそれを押し拡げようというわけです。
ツルツルで平なところにターンバックルをセットしても滑って外れてしまいます。
ドーム型の先っぽを穴に押し当ててやればターンバックルが外れず拡げられるのです。













では実際に作業している風景です。

まずはホイールをフレームにガムテープ等で固定します。
誰かにホイールを持っててもらってもOKです。
この状態ならターンバックルを「リムとハブの間」に取り付けることが出来ます。



「リムとハブ間」にターンバックルを取り付けた写真です。
ターンバックルにホイールがブラ下がっています。
ドーム型の先っぽは4mmの穴に押し当てています。
ターンバックルを回してハブのOLD幅までエンド幅を拡げたらガムテープを剥がします。

ちなみに、ターンバックルは棒をボディ(?)の中に入れたり、ペンチやモンキーで
ボディをつかんで回します。



「拡げているスキにハブを装着しちゃう」の写真です。ホント簡単です。
ハブを装着出来たらターンバックルを緩めて外します。

ちなみに、チェーン引きでチェーンテンションの調整をされている方、その場合は
ターンバックルを外す前にテンション調整をされるのが良いと思います。
私はチェーンテンショナーを使っているのでハブを最前方に取り付けています。







以上がターンバックルを使い「拡げているスキにハブを装着しちゃう」のやり方です。

なお、「アルミフレームのエンドを拡げるなんて無粋なことはしたくない」という方。
中国ではエンド幅110mmの「Crius smart」というDoveのOEM品らしき自転車、
フレームが販売されています。Doveと同じ85mmバージョンも併売されているので
間違って購入しないよう気を付けてください。

私も最初110mmエンド幅のフレームを買ってしまおうと考えていました。
しかしターンバックルを使ってこれほど簡単にエンド幅を拡げられるのであれば既存
DoveなりAL-FDB140で十分かなと今は思っています。

さすがに130mmとかのハブは無理なので、「Sturmey Archer」の「SRF3」、
「SRF5」あたりが多段化の現実的選択肢かなと思いますが、Dove、BYA412、
AL-FDB140の遅さにストレスを感じている方。
ホームセンターで売っている道具だけで十分出来るカスタムなので試してみてください。
もちろん試される方は自己責任にてお願いします。

一応調整が終わり乗ってみましたが、多段化Doveイイです。
これで遠出しようとは思いませんが、街を快適に走り回れる自転車になったと思います。


























2 件のコメント :

匿名 さんのコメント...

あけましておめでとうございます。
はじめまして。元旦の夜、ヒマつぶし程度に以前から気になっていたAL-FDB140 の検索からこのブログにたどり着きました。
自転車の改造ブログ、あまりに面白くて一気に読んでしまいました。私も自転車を少し弄りますが、あまりにツボでした。今後も拝見させていただきます。
それでは。

aslan さんのコメント...

どうもあけましておめでとうございます。

このようなコメントを頂くとまた頑張ってブログを書こうという
元気が湧いてまいります^^

ともかくDove(AL-FDB140)は面白い自転車で、中国から個人輸入で
パーツさえ手に入ればカスタムし放題です。

暖かくなったらまた自転車ネタでも書ければなと思います。

コメントありがとうございました。