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2018/12/16

#アレクサ 「未来」がやってきた。 その1 ~ 実はアナクロ ~

ようやく我が家にも「未来」がやってきました。
「欲しくて欲しくて仕方がなかった!」というわけではありません。
「そろそろ手を出しておいたほうがいいかな。。。」と思ったんです。

本日は、「Amazon ECHO」を2ヶ月ほど使用してみた印象について書きたいと思います。







1.普通に使える

まずお伝えしたいのは、声で端末を操作することが実用レベルになっていることです。
※あくまで個人的見解ですが。



1999年、私はタッチUIで操作する「WindowsCE」という携帯端末を使っていました。
同じ頃、「Palm」が載ったIBMの携帯端末を使っている友だちもいました。
その頃のWindowsCEにしろ、Palmにしろ、一般的なサラリーマンや女子高生が
「普通に使える」とは言い難い代物で、ガジェット好きが不便さを我慢しながら
使うといったレベルのものでした。

私が初めて「普通に使える」と感じたタッチUIは2007年の「初代iPodTouch」です。
Appleの「Newton」登場から実に14年もの歳月が経っていました。
初代iPodTouch登場から3年後の2010年は「スマホ元年」と言われ、
一般的なユーザー層にまでタッチUIの「スマホ」が浸透していきました。


話を「ECHO」に戻します。
私は、不便さを我慢出来るガジェット好きだけがAmazon ECHOを使っているんだと
思っていました。まだそのレベルのものだろうと考えていたんです。
ところが、実際に「ECHO」を使ってみると普通に使え、不便で我慢するようなことは
ありませんでした。WindowsCEやPalmで感じた不便さはないんです。
「ECHO」の登場からたった4年しか経っていないのにです。

2020年頃には、一般的なサラリーマンや女子高生が端末を声で操作する時代が
来るのではないかと思います。
音声UIはそのレベルにまで達していると私は感じました。






2.「声」は情報にアクセスする負荷が小さい

「Amazon ECHO」や「Google Home」に声で問いかけると、
  • 天気、時間、ニュース、スケジュールを声で教えてくれる
  • アラーム、スケジュールの作成
  • 音楽の再生、停止操作
  • Uberを呼ぶ、ピザの宅配を頼む
  • 家電の操作
といった、日常の些末な作業が声で実行出来るようになります。



「それ、スマホで同じ事出来るよね?」
正直私はそう思っていました。
実際のところ家電の操作含め、「Amazon ECHO」で出来ることはスマホでも出来ます。

「手紙があるんだから電話なんて必要ない」
「電話があるんだからeメールなんて必要ない」
「スマホがあるんだからスマートウォッチなんて必要ない」
新しい技術というのは否定的な意見を伴ってデビューすることが多いです。

私はスマートウォッチを愛用しています。スマートウォッチのない生活はもはや
考えられません。しかし、スマートウォッチを使う前は
「あんな小さな画面でLineを読むくらいなら、ポケットからスマホを取り出すよ」と
思っていました。しかし今、スマートウォッチでLineを読み、最低限の言葉ですが
スマートウォッチで返事まで書いています。

手紙と電話、電話とメール、スマホとスマートウォッチ、スマホとAmazon ECHO。
その違いは「情報にアクセスする負荷」なんだと思います。

例えば両手いっぱいに買い物をして家に帰ってきた時、両手はふさがっていますが、
声を出すことは出来ます。「アレクサ、電気点けて」と言えば部屋の電気が点きます。

例えば極寒の朝、布団から出るのにその日一番の気合を必要とします。
しかし、布団の中で「アレクサ、エアコン点けて」と言って部屋が暖まるのを待ちます。
そうすれば多少少ない気合で布団から出ることが出来ます。

家電のスイッチやリモコン、そしてスマホは手で触れなければ操作出来ません。
そして特にスマホですが、画面を注視しなければ操作することは出来ません。
触れなければ、そして見なければ情報にアクセス出来ません。
「Amazon ECHO」を使うことで、触ること、見ることの負荷がいかに
大きいのかを思い知りました。






3.実はアナクロ

私は「ECHOは家電を操作してナンボ」だと思っているので、
声で家電を操作することについて書きたいと思います。

凄いスピードで進化している音声ユーザーインターフェース。
ダメ人間を量産してくれるであろう情報アクセス負荷の軽減。
さぞ高度な技術を使って実現しているんだろうと私は思っていたんです。
アマゾンやグーグルは家電業界をも動かし、音声操作の新規格を確立したんだろうと。

ところが、実際にはアマゾンもグーグルも家電業界を動かしたわけではなく、
とてもアナクロな方法で家電を操作しているんです。
ECHO登場からたった4年で不自由なく家電を操作出来るようになったカラクリは、
「アナクロな手法」で家電操作を実現しているからなんです。
分かりやすい例として、「声で電気(明かり)を点ける」仕組みを簡単に
ご説明させていただきます。


現在「Amazon ECHO」や「Google Home」で家電を操作する場合、大抵は
  • WiFi内蔵電源タップ
  • WiFi内蔵学習リモコン
のどちらかを使います。
「家電、WiFi」と聞くとIOTな香りがしますが、「電源タップ」とか
「学習リモコン」と聞くと「昭和」な香りが漂ってきます。。。



3-1.WiFi内蔵電源タップ

まずは「WiFi内蔵電源タップ」です。

一般的な電源タップの中にはスイッチの付いたものがあります。
例えばスイッチ付きの電源タップに勉強机のスタンドライトをつなげておきます。
そうするとスタンドライトのスイッチを操作しなくても、電源タップのスイッチを
操作すればスタンドライトをON/OFFすることが出来ます。
要は電源タップのスイッチで電源供給のON/OFFをしているわけです。

電源タップのスイッチを手で操作するのではなく、WiFiを経由しスマホで操作出来る
電源タップがあります。これがWiFi内蔵電源タップです。
WiFi内蔵電源タップはスマホで操作するというのがハイテクなだけで、
スイッチ付き電源タップ同様、電源供給のON/OFFをするだけです。

スイッチ付き電源タップ WiFi内蔵電源タップ

手でスイッチをON/OFF WiFiを経由しスマホでON/OFF

「電源供給のON/OFFで操作出来る家電」であれば、その家電のコンセントに
「WiFi内蔵電源タップ」を取り付けるだけです。たったそれだけのことなんです。
これが「家電操作」のカラクリです。とてもアナクロです。



3-2.WiFi内蔵学習リモコン

次に「WiFi内蔵学習リモコン(クラウドリモコンと呼んだりするそうです)」です。

学習リモコンというのは、複数のリモコンを1つに集約してしまおうというものです。
テレビもBDレコーダーもエアコンもシーリングライトも、1つのリモコンで
操作出来るようにするためのリモコンです。
例えばシーリングライトのリモコンの「点灯ボタン」を学習リモコンに向けて押します。
すると学習リモコンはシーリングライトの「点灯ボタン」の信号を学習し、
シーリングライトを点けることが出来るようになります。

これをスマホで出来るようにしたのが「WiFi内蔵学習リモコン」です。
スマホで「シーリングライトの点灯ボタン」を押すと、「WiFi内蔵学習リモコン」が
シーリングライトを点灯させる信号の赤外線を送出します。

一般的な学習リモコン スマホをリモコンに
学習リモコンから赤外線送出 WiFi内蔵学習リモコンから赤外線送出

「赤外線を使ったリモコンで操作出来る家電」であればスマホから操作出来ます。
昔からある学習リモコンがネットワーク化されただけです。
これが「家電操作」のカラクリです。とてもアナクロです。



3-3.「Amazon ECHO」はスマホと同じことしかしていない

  • WiFi内蔵電源タップ → 電源供給のON/OFFで操作出来る家電
  • WiFi内蔵学習リモコン → 赤外線を使ったリモコンで操作出来る家電
という条件はありますが、WiFi内蔵の家電に買い換える必要はありませんし、
音声操作対応の家電に買い換える必要もありません
既存の家電をそのまま使えます。
最初からスマホで操作出来る「WiFi内蔵ロボット掃除機」などもありますが、
多くはWiFiを内蔵した電源タップ、学習リモコンで家電を操作しているだけなんです。
とてもアナクロな方法です。

では「声で家電を操作」するにはどうするのか。
これもとても簡単なことで、「Amazon ECHO」や「Google Home」は
スマホと同じことをしているだけなんです。


さて、スマホでWiFi内蔵電源タップ、WiFi内蔵学習リモコンを動かすには
専用のアプリが必要です。そのアプリはWiFi内蔵電源タップのメーカー、
WiFi内蔵学習リモコンのメーカーがAndroid用、iPhone用を提供しています。
スマホをお使いの方であれば「そうでしょうね」という話です。

で、この構図は「Amazon ECHO」、「Google Home」でもまったく同じなんです。
WiFi内蔵電源タップのメーカー、WiFi内蔵学習リモコンのメーカーは
「Amazon ECHO」用のアプリ、「Google Home」用のアプリを提供しています。
「Amazon ECHO対応」、「Google Home対応」を謳っているWiFi内蔵電源タップ、
WiFi内蔵学習リモコンが何なのかといえば、「Amazon ECHO用アプリ」、
「Google Home用アプリ」をそのメーカーが提供しているということです。

ここで厄介なのが、
  • Amazon ECHO用アプリ → 「スキル」
  • Google Home用アプリ → 「Google Assistant アプリ」
という聞き慣れない名前が付いていることです。
「スキル」を「Amazon ECHO」にインストールする、「Google Assistantアプリ」を
「Google Home」にインストールする。
そうすれば声で家電を操作出来るようになります。







ご年配の方にオススメ

長々と書いてきましたが、
  • 既に実用レベルに達している
  • リモコンやスマホを操作するより、声で操作する方が楽
  • 最先端ではあるものの、難しくないし、お金もかからない
というのが私が感じた印象です。

その導入は簡単ではありませんが、「Amazon ECHO」のような音声操作端末を
使って生活がより便利になるのはご年配の方だと思います。

  • スマホのタッチ操作が苦手
  • スマホの画面は字が小さくて見づらい
  • リモコンを取りに行く、電気のスイッチを押すのに立ち上がるのが億劫
  • リモコンが見当たらない

なんてことが、音声操作で解決します。
ご両親へのクリスマスプレゼントに最適かもしれません。
初期セットアップをしてあげることが必須ですが。。。

とはいえ、もちろん若い方が使っても便利に使えるものだと思います。
爆発的に使われようになるのは東京オリンピック過ぎだとは思いますが、
新しもの好きの方は是非お試しください。きっと生活が楽になります。


























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