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2016/10/30

「α7R2」で動画始めました その8 ~ 三脚選び for スライダー ~

本日はスライダーのお話後半。
「スライダーのための三脚選び」について書いてみたいと思います。

これまで何度かスライダー撮影をしてみて感じたのは、
・三脚への負荷は想像以上に大きい
・ちょっとした工夫で快適になる
ということです。
あくまでスライダー初心者である私の考えなのですが、これからスライダーを始めようと
考えている方の参考になればと思います。







”無駄に”丈夫で重い三脚がオススメ

まずは私が使ったカメラ(リグ)を見ていただきたいと思います。
DIYで組んだリグですが、カメラ、レンズ、外部モニター、外部バッテリー、ビデオ雲台。
全て合わせると計5Kgほどの重さの機材がスライダーに載ることになります。



私が使っているスライダーは80cmあり、それを1本の三脚で保持しています。
つまり、スライダーの端にカメラがある時には三脚中心から40cm離れていることになります。
これは一般的な三脚を使った撮影ではあり得ない状態です。

三脚の耐荷重がどのように算出されている数字なのか私は知りませんが、三脚の中心から
40cmも離れた場所にカメラが載る想定はされていないはずです。
仮にスライダーが2kg、リグ+ビデオ雲台で5Kg、計7Kgだったとします。
単純に耐荷重7Kgの三脚では剛性不足間違いなしだと思います。



そしてもうひとつ。
カメラをスライドさせるためカメラを押すわけですが、これも三脚に負荷をかけることに
なります。「ヌメっ」と動作するスライダーは特にです。



スライダー撮影用途では単純に

・カメラの重さ
・三脚の耐荷重

だけを比べて三脚を選ぶという方法では三脚選びに失敗してしまうと思います。
私はマンフロットの三脚しか分からないのでマンフロットを例にすると、

・40cmのスライダー → 「055(耐荷重:9Kg)」、「755(耐荷重:7Kg)」
・80cmのスライダー → 「535(耐荷重:20Kg)」、「536(耐荷重:25Kg)」

あたりだと安心かなと思います。あくまでスライダー初心者の考えですが。。。
”無駄に”丈夫で重い、安心出来る三脚を使われることをオススメします。























”無駄に”大型の自由雲台 or ハーフボールタイプ三脚がオススメ

三脚の次に、水平をとる方法に関して書きたいと思います。


動画撮影では「水平」が重視されます。
スライダー撮影も同様で、スライダーが水平に設置されていることはとても大事です。

#1.三脚の脚を伸縮させることで水平をとる
#2.三脚に付けた雲台でスライダーの水平をとる
#3.ハーフボールタイプ、もしくはレベリングベースを装着した三脚で水平をとる

たいていは上記のどれかで水平をとることになるかと思います。



私は上記3つともやってみました。
すると、どれも一長一短であることが分かりました。
簡単にそれぞれの使い勝手、長所短所を書いてみます。


#1.三脚の脚を伸縮させることで水平をとる

想像通り面倒ではありますが、まったくナシかと言うとそうでもないと思います。
予算をかけたくないとか、たまにしかスライダーを使わないのであればアリだと思います。


#2.三脚に付けた雲台でスライダーの水平をとる

スライダーが~40cm、カメラが~2Kgくらいであれば自由雲台をオススメします。
ハーフボールタイプより操作性が良く水平もとりやすいです。
ただし、保持力の大きい大型自由雲台を使わないとスライダーを保持できません。


#3.ハーフボールタイプ、もしくはレベリングベースを装着した三脚で水平をとる

長いスライダー、重いカメラを使うのであればハーフボールタイプ一択だと思います。
ただし、ハーフボールタイプにも60mm、75mm、100mmとサイズがあります。
私はその中でも最も大きい100mmサイズのハーフボールタイプ三脚を使いました。
レベリングベース、ハーフボールタイプであっても小さいものだと保持力も弱いです。



三脚の耐荷重と同じですが、40cm離れたところに5Kgのカメラが載るというのは雲台も
レベリングベースもハーフボールタイプも想定外な使い方なんだろうと思います。



”無駄に”大型の自由雲台 or ハーフボールタイプ三脚を選ぶことをオススメします。
























スライダー撮影を快適にするための工夫

次に、スライダーを使ううえでの工夫について書きたいと思います。
私が最も重要だと思っている工夫は、

「三脚とスライダーを簡単に切り離せる」

ことです。
三脚とスライダーの接合をクイックリリースにして切り離しを簡単にしています。

三脚とスライダーが簡単に切り離せると何が楽になるかと言うと、撮影場所の移動です。
私は建物の内観を撮ることが多いのですが、アングルを変える時は三脚とスライダーを
切り離して別々に運びます。スライダーが部屋の壁やら家具にぶつかるのを避けるためです。

セットアップ、撤収が楽になるのは言うまでもありません。







全ての接合を「3/8インチネジ」ではなく「クイックリリースで」

スライダーと三脚を簡単に切り離すために三脚側にクランプを取り付けました。

ということは、三脚と雲台の接合もクイックリリースにしなくてはなりません。
ということは、スライダーと雲台の接合もクイックリリースにしなくてはなりません。
結局、全ての接合をクイックリリースにしなくてはなりません。
剛性的にはマイナス効果になってしまいますが、三脚、スライダー、雲台の組み合わせが
サクサク変えられるので便利です。

当然ですが、アルカスイス互換のクランプ、プレートを使うことをオススメします。
「アルカスイス互換」については 以前の記事 をご覧ください。
























4 件のコメント :

匿名 さんのコメント...

初めまして。記事とても参考になりました。
一つ質問させて頂きたいのですが、記事に出てくるLibec のスライダーにつけられているアルカスイスのクランプなのですが、こちらはどちらの製品になりますでしょうか?
またこの手のクランプですが、取り付ける際にネジの長さによって使いやすい位置で止まらないことがあるかと思うのですが、その場合はどのように固定されておりますでしょうか?

aslan さんのコメント...

コメントありがとうどざいます。

スライダーに取り付けているクランプは、「SUNWAYFOTO DDC-60L」です。
このクランプはツマミの首(?)が長いので選びました。
ツマミの首が短いとスライダーの台座にあるツマミと干渉してしまい、ツマミを回しづらいと考えたからです。

ただしこのクランプには欠点がありまして、底面が真っ平らなんです。
スライダーの台座に固定するとクランプが動きません。
なので私はクランプとスライダーの台座の間に1mm厚のアルミ板をはさんでいます。
アルミ板をはさむことでクランプの可動部分が台座から浮き、クランプが動くようになります。

ツマミの首が長いのはいいのですが、アルミ板をはさむ必要があるのでこのクランプ自体はお薦めできません。
とはいえ、底面が真っ平らかどうかは購入してみないと分からないというのがツライところです。


そして、仰るようにクランプを回してスライダーの台座に固定するため、丁度いい角度では固定出来ません。
そこで私はスライダーの台座部分を分解し、台座から生えているネジを外しました。
確かネジはナットのようになっていたと思います。
その「ナット」を六角レンチで締める「ネジ」に変えました。
https://3.bp.blogspot.com/-0PIyUG4DF24/WYxcbD4GM1I/AAAAAAAAMhU/29-R8EDrwlcsAFUU3mS0T6mdC8HDAMSLgCKgBGAs/s1600/20160930_03.jpg
ネジであればクランプの角度を好きなように出来ます。
ただ、ネジは3/8インチネジが必要になります。
ホームセンター等では売っていないと思いますが、「モノタロウ」にはあるようです。

URL:https://www.monotaro.com/p/4151/5677/
・インチネジ
・ユニファイ
・並目
・太さ3/8インチ
・長さ1/2インチ
・価格1,190円(税、送料別)

間違っていたらすいません。
私が使ったのは上記のネジと同じものなはずです。


以上参考になれば幸いです。

匿名 さんのコメント...

大変参考になりました。とても詳細に教えていただいてありがとうございます。
私はアルカスイスではなく、マンフロットのプレートで統一しようと思ってるのですが、教えて頂いた方法でマンフロットのプレートクランプを接続してみようと思います。
Libecのスライダー、メンテナンスやレールの長さ変更のために、取り外せるのは知ってましたが、そこからネジを外せるという発想に至ってなくて、目から鱗でした。ありがとうございます。

カメラ動画関連の記事の更新、楽しみにしております。
ありがとうございました!

aslan さんのコメント...

参考にしていただけたようで何よりです。
動画に関するネタが書ける時が来たらまた記事にしたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。