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2015/06/05

ベルボンの自由雲台をアルカスイス互換化 その2

本日はクランプ交換第2回。
既存クランプの取り外しに関して書いてみたいと思います。

なお、私は所有する自由雲台「Velbon QHD-43」のクランプを取り外しましたが、
他の自由雲台にも応用していただける方法だと思います。
参考にしていただければ幸いです。







クランプを固定しているネジを見つける

まずは雲台とクランプを接合しているネジを見つけます。
最初からそのネジがクランプ上に見えている雲台もありますし、私が使っている雲台の
ように分解しないとネジが見えてこないクランプもあります。
ちなみに私が使っている「Velbon QHD-43」だと、

1.クランプ上のコルクをはがす
2.4本のビスを外す
3.フタを取る

という感じでクランプを留めるネジが見えてきます。







ネジが回らない

で、このネジがまぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーー固いんです。

これは「Velbon QHD-43」に限ったことではないようで、例えば最近の
「Arca Swiss Z-1」なんかも相当に固いんだそうです。
クランプ交換する方の多くがこの問題に苦労されるようです。



で、どれくらいネジが固いかご紹介したいと思います。

ネジをナメてしまうなんて当たり前です。
そこで私はネジの頭を削ってモンキーで回せるようにしました。
下の写真左のネジ。これは「Velbon QHD-43」のネジで、モンキーで回したら無事
回ったのです。
次に真ん中の短いネジ。
これは「Velbon QHD-33」のものなんですが、同じようにモンキーで回したらネジが
折れました。ネジが回らずに折れちゃうんです。「どんだけぇ~」って話です。
最後に、写真右のボール部分。
これは折れたネジを「逆タップ」で外そうと試みた結果です。まったく回りませんでした。
「Velbon QHD-33」を1つダメにしてしまいました。。。



もちろんネジロック剤が塗布されていました。
ネジロック剤というのは簡単にネジが緩まないように塗布するものだと認識しています。
ところが、ネジが折れるほどの固さでネジがロックされているのです。
それはもはや緩み防止のレベルを超えていると思うわけです。それ接着だろうと。
メーカーとしては「接着」のつもりでロック剤を塗布していたのかもしれませんけどね。






ネジを回すには

そこでネジロック剤が塗布されているネジの回し方を調べました。
するとネジを火で炙るなり、半田ごてで熱するなり、熱を加えることで緩むらしいことを
知りました。

最初半田ごてをネジにあてて熱してみたのですがまったく回りませんでした。
熱し方が足らなかったのかもしれません。
で、次に渋谷の東急ハンズでこのバーナーを買ってきました。
千円ちょっとでした。普通の100円ライターを燃料に出来る便利なバーナーです。
ちなみにAmazonでも購入可能です。詳細をご覧になりたい方は「 こちら 」



こんな感じでネジを炙りました。
2分くらい炙ってみたところ、「グニュっ」って感じで回りました。
やっぱり困ったときの「google先生」です。

2017/11/22追記-------------------------------------------------------
読者の方からコメントをいただきました。
当記事を参考にネジの頭を炙ってみても緩まなかったネジが、ボールの「首」部分を
炙ることでネジが緩んだそうです。
首を炙ることで、より効果的にネジロック剤を無効化出来るのではないかと思います。
「首を炙る」というのはまったく思いつかなかった方法ですが、皆様お試しください。

奥義「首を炙る」。
伝授いただきました匿名様、本当にありがとうございました。
改めてお礼申し上げます。
2017/11/22追記-------------------------------------------------------

2018/01/28追記-------------------------------------------------------
読者の方より、「ネジ部分をキッチンのガスコンロで焼いたらネジ回りました。」
というご報告をいただきました。
ガスバーナーをお持ちでない方はネジ部分、ないし首部分をガスコンロで焼いて
みてください。ただくれぐれも火傷にはご注意ください。

匿名様、貴重な情報をシェアしていただきありがとうございました。
2018/01/28追記-------------------------------------------------------



ちなみに、炙っているのはネジですが、雲台全体がそこそこ熱くなります。
雲台を持つ時は軍手をするなりしてやけどしないよう気をつけてください。






注意点

私がクランプを外したのは「Velbon QHD-43」ですが、この雲台にはプラスチックの
パーツがありません。なので少々バーナーで炙っても溶けたり変形したりするような
ことはありません。
しかし、自由雲台の中にはプラスチックのパーツでボールを支えていたり、クランプに
水準器があったり、熱を加えると正常に動作しなくなる可能性のある雲台もあります。
バーナー等で熱を加える際は溶ける、変形するようなパーツがないかご注意ください。

お試しいただく際は自己責任にてお試しいただければと思います。







以上ですが参考にしていただければ幸いです。
次回は新しく取り付けたアルカスイス互換クランプに関して書いてみたいと思います。






14 件のコメント :

たなか さんのコメント...

初めまして、アルカスイス互換化を検索してやってきました。
同じように真似してやってみましたが、全くうまくいきませんね…。
インパクトドライバーも持ち出してみましたが、恐ろしいほどに固いですね。

aslan さんのコメント...

コメントありがとうございます。

炙ってダメ、インパクトでダメだと方法が他には思いつきません。
ネジの頭をモンキーで回せるように削る、逆タップを使うという方法も
試す価値はあると思いますが、私のように雲台を壊してしまう可能性も
大きくオススメは出来ません。

私は計3台のベルボン雲台で試しましたが、ネジの固さにはバラつきが
ありました。たなか様の雲台は特別に固かったのかもしれません。
例えばReally Right Stuffなんかの雲台は簡単に外すことが出来ますが、
やはりクランプ交換を想定されていない雲台はとてつもなく固いです。

雲台を壊してしまう前に、お怪我をされる前に諦めるというのも大事な
ように思います。お力になれず申し訳ありません。

匿名 さんのコメント...

私も同じようにアルカスイス互換化しました。
ナメにくい1号のプラスで回してみるもネジがナメ、
ネジザウルスで回そうとヤスリで削っても上手くいかず、
絶望と後悔に押し潰されそうな時、
バーナーで炙ると本当に簡単にネジが緩みました。感動。
自分は計3台の雲台(全てベルボン)のアルカスイス互換化に成功しました。
4台目のスリックSBH-200はクランプを固定するネジすら見当たらず断念…
情報ありがとうございました。

aslan さんのコメント...

匿名様

ベルボンの雲台は使いやすく大好きなのですが、このネジの硬さだけが
玉にキズです^^;
最初からアルカスイス互換クランプを着けておいてくれるならネジが硬くても
一向に構わないのですが。

私もネットの情報に助けられることが多いので、自分の情報が
有意義に活用していただけたのだとしたら嬉しいことです。

この度はコメントありがとうございました。

tu さんのコメント...

異常なな硬さですね…。
Velbon QHD-U4Qをアルカスイス互換化しようと思いトライしましたがうまくいっていません。
もしよければ下記教えてください!

①ポケトーチで炙る際は何cmくらい火口部から離しましたか?(写真の通りですか?)
②同バーナーは何分くらい炙りましたか?(取説に1分以下と記載あってチキンなので…)
③ネジを回す際は雲台のボール部分はどうやって固定していますか?
④右ねじが取り付けてある、で間違いないでしょうか。

雲台をドライヤーで10分ほど予熱してから5分バーナーで炙り、Anexのネジ取りインパクトドライバーで回しましたが回りません(もちろん素手も)。自由雲台下側のロックタイト付き3/8インチ変換ネジは気づけば取れましたが…

aslan さんのコメント...

tu様
コメントありがとうございます。

ちょっと硬過ぎですよね・・・
どういった理由でここまで硬くするのか理解に苦しみます。


ご質問についてですが、

①青い炎がネジに触れるほど近づけました。写真の通りです。
②30秒を4セット、10秒インターバルって感じでした。私はとてもチキンなので30秒で^^;
③ギチギチに雲台のノブを締めてネジを回しました。
④右ネジで間違いありません。ネジはごく一般的なM6です。


バーナーで炙ると「グニュッ」って感じで回りました。
それほど力を入れなかったと記憶しています。
もしバーナーで炙ってもダメなのであれば、お怪我をされる前に諦めたほうが
いいかもしれません。
ネジの固着具合には個体差があるようで、硬いものはとことん硬いみたいです。


以上参考にしていただければ幸いです。

匿名 さんのコメント...

記事を参考にしてバーナーでねじ頭をあぶってもダメでした。
一考して、ボールの首の部分を側面から炙ったところ、30秒ほどでヌリュっと緩めることができました。
ねじ山に熱が伝わりやすい部分なんだと思います。
白いねじ止め材が塗ってありました。
「首を炙る」お勧めします。

aslan さんのコメント...

匿名様
コメントありがとうございます!

「首を炙る」はまったく考えていませんでした。。。
おっしゃる通りネジ山部分に熱が伝わりやすいのは首からですよね。

当記事に奥義「首を炙る」を追記させていただこうと思います!
本当にありがとうございました。

匿名 さんのコメント...

aslan 様

お役に立てて光栄です。
これからは「首を炙る」でいきましょう!

aslan さんのコメント...

匿名様

今後この記事を読む数百人、数千人の方が匿名様の情報に
救われるかもしれません。
価値ある情報をシェアしていただけたことに感謝いたします。

また何かございましたらよろしくお願いします!

匿名 さんのコメント...

バナーで炙るが効きました。ありがとうございました。
おかげさまで無事Velbon QHD-43をアルカスイス互換に改造できました。
ネジロック剤を無効にするためネジの頭をハンマーで叩いて衝撃を与えたり
半田ゴテで加熱したりしましたがうまくいかず、
本記事を参考にしてネジ頭をガスの火力で加熱したら簡単に外せました。
ガスバナーが手元になかったので、台所のガスコンロの炎の中にネジの部分を
突っ込んで2分ぐらい焼いたjavascript:void(0)らネジロックが簡単に外れました。
QHD-43は樹脂などがなく金属のみなのでガスの火力でネジロック剤を焼き切るのが一番簡単ですね。

aslan さんのコメント...

匿名様
コメントありがとうございます。

「ネジを炙る」、「首を炙る」に続き、「ガスコンロで焼く」という手法も
あったわけですね。。。
ワイルド極まりないです^^;
しかし匿名様がおっしゃるようにQHD-43には熱で溶けるパーツがないので、
バーナーを持っていないという場合には有効な方法ですね。
貴重な情報をシェアしてくださりありがとうございました。

「ガスコンロで焼く」という方法も記事内に追記させていただこうと思います。
また何か有益な情報があればコメントいただければ幸いです。
この度はありがとうございました。

mech さんのコメント...

アルミは加熱すると柔らかくなってしまいます、その後室温程度に冷えても柔らかいままです。

どの位柔らかくなるかと言うと「1円硬貨を素手で曲げる手品」がある位です。

当方、ベルボンのPH-243のボール部をメッキが変色するまで加熱した物を使っています、今のところは首が曲がったりもげたりはしていませんが、取り付けるカメラがコンデジの為、より重量のあるカメラの場合の耐久性は不明です。

実用上問題はないと思いますが、念のため加熱するヶ所と時間は最低限にした方がより良いかと思います。

aslan さんのコメント...

mech様コメントありがとうございます。

仰る通り、アルミ含む金属はその特性に沿った温度、熱する時間、冷却速度によって
焼入れ、焼戻し、焼鈍し、焼ならし等で硬く脆くなったり、軟化したりするそうです。
調べたところ1円玉は純アルミニウムで特に柔らかく、数分炙る程度で焼鈍し処理となり
手で曲げられるほどに柔らかくなるそうです。
ベルボンのQHDシリーズが1000番台(純アルミニウム)を使っていることは
ないと思いますが、ライター等で炙ればアルミニウムの焼鈍し温度(350~410度だそうです)には
達すると思われます。

ただ、例えば2000番台のアルミを焼鈍しするにはゆっくり(1時間に30度)冷却する必要があり、
炙った後室温で放置(急速な冷却)では焼鈍し処理にならないようです。

QHDシリーズが何千番台のアルミを使っているか分からないので正確なことは
分かりませんが、mech様が仰る通り炙る時間は短いに越したことはないと思います。

この度は貴重なコメントありがとうございました。