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2015/03/21

Manfrotto 「057」&「MHXPRO-3WG」買ってみました(従兄弟が)

私の従兄弟が建築設計の仕事をしていて、竣工写真撮影の手伝いをすることがあります。
従兄弟はNIKONのD600、14-24mm/F2.8、24-70mm/F2.8、70-200mm/F2.8を
所有しており、それらを使って写真を撮ります。

で、三脚も従兄弟が所有するスリックのお安い三脚を使って撮っていました。
スリックの三脚に不満があったわけではないのですが、建物の写真を撮るには

・もっと高さが欲しい
・3Way雲台だと構図の微調整がし辛い

というのが不満といいますか、不足する性能だなと感じていました。
そこで、高さのある三脚と、構図微調整のし易い雲台ということで、マンフロットの

057シリーズの三脚(4段ギア付き)
XPROギア雲台(MHXPRO-3WG)
LブラケットQ2

を新たに購入してもらい、先日実際にそれらを使って竣工写真を撮ってきました。







私が所有する同じマンフロットの「befree」と比較するとこんな感じです。
「befree」はそもそも小さな三脚ですが、それにしたって057は巨大です。。。



センターポールまで全て伸ばすと205cm。雲台が乗ると220cmくらいになるでしょうか。
部屋の中で全て伸ばすと天井に届きそうな感じです。
カメラの操作は脚立に乗らないと出来ません。

低い位置から建物の写真を撮るとどうしてもアオリの付いた写真になってしまいます。
風景なんかであれば問題になりませんが、直線、垂直で構成される建物だとアオリが
目立ってしまいます。現像ソフトでアオリ補正をかけますが、不自然感は残ります。

ティルトシフトレンズを使えばいいのかもしれませんが、高さのある三脚を使うことで
構図決めと、現像時の調整が楽になりました。






その他にも、

・剛性感、安心感がスゴイ

D600と70-200/F2.8で2kgちょっとでしょうか。まるで不安を感じない剛性感でした。
素人の私が使うには申し分なしです。


・センターポール上げ下げがギアなのが良い

ハンドルを回してセンターポールを昇降するタイプを買いましたが、実に良いです。
身長を優に超える三脚なのでカメラ操作は脚立に乗って行います。なので足元は
不安定です。またカメラとレンズは大きく重いです。となると、ハンドルを回することで
センターポールの上げ下げが出来るというのは予想以上に快適でした。


・とても重い

三脚が3.7kg、雲台が750g、合わせて4.5kgほど。
趣味で使いたくはないなという感じの重さです。。。


といった感じです。
とても重い機材を載せたいとか、私のように高さが欲しいという方。オススメです。













次に雲台です。

雲台はマンフロットの新しいギア雲台、「XPROギア雲台」です。
2015/03/21現在、価格コムで売れ筋No.1になっています。なかなか人気のようです。



私は趣味で写真を撮る時、三脚を使うにしてもそう厳密に構図を調整しません。
なので、コンパクトで軽量で構図決めがスピーディーに出来る自由雲台を好みます。

しかし建築写真では厳密に水平を出して撮らないと、やはりアオリの付いた写真になってしまいます。
もちろん自由雲台でも3Way雲台でも水平は出せますが、ギア雲台ほど簡単ではありません。

実際にギア雲台を使ってみて、ともかく撮影が楽でした。
建築写真に限らずですが、厳密に構図調整をしたい方にはオススメです。



その他で言うと、

・大きな角度で動かしたい時も快適

マンフロットには他にも以前から販売されているギア雲台があります。
それら古いモデルと、先日新しく発売された「XPROギア雲台」の大きな違いの1つが
「ギアの開放機構」です。

古いモデルにも同様に「ギアを開放する機構」はありますが、「XPROギア雲台」では
「レバーを握る」というアクションでギアが開放されます。古いモデルを実際に触ったことは
ありませんが、「レバーを握る」のほうが楽ちんだろうと思います。

ギア雲台は、「微調整は楽だけど、大きく動かしたい時は不便なんじゃない?」と使う前
心配しましたが、実際に使ってみるとホント快適でした。

※画像はマンフロットHPより















・ギア雲台は重いカメラには向かない?

「XPROギア雲台」の耐荷重は4kgです。マンフロットのその他3Way雲台と比べると
耐荷重が小さいなと感じます。その他ギア雲台も同様に耐荷重が小さめなので、ギアの
機構自体あまり負荷に強くはないんだろうと思います。

また、3Way雲台に付いているレバーに比べると、「XPROギア雲台」のレバー(ツマミ)は短いです。
ギアを開放した状態で角度を変える際、テコの原理的により大きな力でレバーを動かす、
抑える必要があります。
最近の雲台にはフリクションコントロールが付いて、より安全に角度を変えられるように
なっていますが、「XPROギア雲台」でギアを開放して角度を変える時は慎重に行う必要が
あると感じました。

ともあれ、D600に70-200/F2.8を付けたカメラでも私は不満なく使えました。



・L型プレートで縦位置も快適に

「XPROギア雲台」のクイックシュー(200PL)に対応したL型プレート「LブラケットQ2」を使うことで
縦位置の撮影が快適になりました。
マンフロットもアルカスイス互換だとL型プレートの選択肢が広がっていいんですけどね。



といった感じです。
190辺りとベストマッチングというクラスの雲台だろうと思いますが、よほどのカメラを
乗せない限りは不満なく使えるのではないかと私は思いました。

ちなみに、三脚との接合は3/8インチネジです。
1/4インチネジの三脚には変換アダプタが必要です。



以上、マンフロットの「057」と「XPROギア雲台」を買ってみた(従兄弟が)というお話でした。






















4 件のコメント :

匿名 さんのコメント...

 通りすがりの者です。ギア雲台の使用感など興味深く拝見しました。
 ところで、記事の中で「アオリの付いた写真」と表現されていますが、建築写真においては「アオリの付いた写真」はとても好ましいものです。なぜなら、高層建築を下から見上げた場合などに発生する建築物上部のすぼまりが緩和あるいは補正され、より我々人間の肉眼に近い表現がなされているからです。ところが aslan様 はその逆で、好ましくない画になってしまう(建築物を下から見上げた時の上部のすぼまりや歪曲が発生する)という意味で「アオリの付いた写真」と表現されているようにお見受けしたのですがいかがでしょうか。
 シフトレンズの知識がおありのようでしたので、少々気になり質問させていただきました。

aslan さんのコメント...

コメントありがとうございます。
素人のレビューですが参考にしていただければ幸いです。


> 好ましくない画になってしまうという意味で「アオリの付いた写真」と表現されている

鋭いご指摘です^^;

アオリの付いた写真はダイナミックで、アオリの付いていない写真は落ち着いた印象。
私はそのように感じております。
写真から感じる印象の違いはあると思っていますが、アオリの付いた写真を否定的に
捉えているわけでは決してありません。

従兄弟の建築家から頼まれて撮るのは一般住宅で、用途は宣材写真です。
なので落ち着いた印象の水平視点のほうが適しているかなと考え、アオリのない写真を
撮るよう心がけています。
それが正解なのかどうかは分かりませんが。。。


私は学生時代建築設計事務所でバイトをしていました。
その時3次元CADで建物のCGをよく描いていましたが、やはりアオリのないCGが
多かった(建築士の社員から好まれた)ように思います。
(CADではアオリを付けない等角投影図法、アオリを付ける透視投影図法。
それらを切り替えることでアオリのON、OFFを簡単に切り替えられます。)

建築設計事務所であったり、マンションの販売であったり、建物を供給する側は
アオリのないCG・写真が多いような印象があり、アオリのない写真を撮る癖が
ついてしまっているかもしれません。

アオリのない写真ばかり撮る結果、どちらかといえば面白みのない写真を
量産してしまっているような気もしますね^^;

匿名 さんのコメント...

 ただの通りすがりの質問に、ご親切にお答えいただきありがとうございます。なるほど腑に落ちました。
 
 お店ですべての製品に触れられるわけではないので、こういったブログ様は本当に参考になりますし、助かっています。それにただのレビューブログではなく、いい画をたくさん撮っておられますね。私はNikonのフルサイズを使っていますが、 aslan様 の作例を拝見し、Sony製品のクリアな解像感には正直驚きました。

 また覗かせていただきます。これからもがんばってください。

aslan さんのコメント...

コメントありがとうございます。

もしかしてですが、アオリの付いた写真というのはアオリ補正をした写真という
ことでしょうか?
ホント素人なので正確な用語をあまり理解しておりません。。。
だとしたら申し訳ございません。

ちなみにSONYは単焦点はいいのですが、ズームレンズはイマイチです。
特に私が使っているEマウントは。
対してニコンのF2.8のズームレンズは恐るべき性能だと、従兄弟のカメラを使う度に
感じています。


これからも皆様の参考になるような情報を提供出来るよう頑張ります!
ありがとうございました。