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2020/03/04

電動ドライバの選び方 その1 ~ 電動ドライバの種類 ~

ここ数年、3千円前後の「小型で安価な電動ドライバ」界隈が賑わっています。
3千円というのは購入しやすい価格ではありますが、「どれ買えばいいの?」という
悩みは増したように思います。
そこで電動ドライバの選び方について書いてみたいと思います。



  • 電化製品の分解組立
  • IKEAで買った家具の組立
  • 木工DIY
  • 車、バイクの整備
といったことで電動ドライバの購入を検討している方の参考になればと思います。
ただ私も電動ドライバにそう詳しいわけではないので、間違い等あると思います。
YouTube、他の方のブログ等も参考にしていただければと思います。

第1回の本日は「電動ドライバの種類」についてです。






1.「電源」の種類

まずは電源の違いです。
電動ドライバの電源には、
  • バッテリー
  • 100Vコンセント
の2種類があります。

どちらも一長一短ですが、「バッテリータイプの家電は大嫌い」ということで
なければ、バッテリータイプのものでいいと思います。
現在、電動ドライバの主流はバッテリータイプです。



1-1.バッテリータイプ

  • 使おうと思った時バッテリーが切れている
  • 充電器を紛失すると充電出来ない
ところがバッテリータイプは不便です。コードレス掃除機と同じです。

「明日IKEAから家具が届く」というような場合は前日に充電しておきましょう。
また、専用の充電器を失くさないよう気を付けてください。
専用の充電器ではなく、USB充電出来るものを選ぶのもオススメです。



1-2.100Vコンセントタイプ

  • コンセントのない所では使えない
  • 作業中コードが地味に邪魔
ところが100Vコンセントタイプは不便です。
コード有り掃除機と同じような使い勝手の悪さがあります。






2.「バッテリー電圧(≒パワー)」の種類

昨今の電動ドライバのバッテリー電圧は
  • 3.6V(4V)
  • 7.2V(8V)
  • 10.8V(12V)
  • 14.4V(16V)
  • 18V(20V)
  • 36V(40V)
の6種類です。

一般的には3.6の倍数で、中には4の倍数で表記するメーカーもあります。
例えば、12V=10.8V、40V=36Vです。
絶対的な指標ではありませんが、電圧が大きくなるほどパワーは
強くなる傾向です。

これはあくまで私の考える目安ですが、作業毎に適した電圧(パワー)は
こんなイメージです。
  • 電化製品の分解組立 → 3.6V
  • IKEAで買った家具の組立 → 7.2V
  • 木工DIY → 10.8V~18V
  • 車、バイクの整備 → 14.4V~36V



2-1.電化製品の分解組立、家具の組立にはパワーの弱い電動ドライバを使う

電化製品ならプラスチック、薄い鉄板、アルミニウム。
半完成の組立家具なら繊維板(MDFなど)と、ネジを締める対象の
素材が丈夫ではない場合が多いです。

丈夫ではない材料にネジを締めるとき、パワーの強い電動ドライバを
使うと対象の素材を壊してしまう可能性があります。
なので、電化製品であればパワーの最も弱い3.6Vの電動ドライバを、
家具の組立であれば7.2Vの電動ドライバをオススメします。



2-2.大工さんがパワーの強い電動ドライバを使う理由

特殊な場合を除き、木工DIYなら10.8Vの電動ドライバで大抵のネジを回せると思います。
しかし、大工さんは14.4Vとか18Vの電動ドライバを使っている方が多いようです。
その理由の1つは「パワーの強い電動ドライバはネジ締めが早い」
からだろうと思います。

1軒の家を建てるのに使うネジの本数をネットで調べたところ、8万本くらいだと
書かれているサイトがありました。
仮に「10.8Vの電動ドライバ」より「18Vの電動ドライバ」の方が1秒ネジ締めが
早かったとします。
「たった1秒?」と思ってしまいますが、8万本x1秒で8万秒=22時間の差になります。
1日8時間仕事したとすると、22時間÷8時間=約3日も余計にかかることになります。
家1軒で3日の差が生まれるなら、そりゃパワーの強い電動ドライバを
使うのも納得ですよね?

次に、私達が趣味で本棚を作るのに100本のネジを締めるとします。
仮に「10.8Vの電動ドライバ」より「18Vの電動ドライバ」の方が1秒ネジ締めが
早かったとします。
すると、100本x1秒で100秒の差になります。
趣味で本棚を作って生まれる100秒の差、誤差みたいなもんです。

一般的にバッテリー電圧の低い電動ドライバのほうが軽く、安価です。
例えば以下の2機種だと500mlのペットボトル1本分違うんです。
「本棚を100秒短時間で作れる」よりも、「ペットボトル1本分軽い」方が
作業は快適なのではないかと思います。




2-3.車、バイクの整備にはともかくパワーが必要

私が自分のバイク(250cc)を整備した時、電動ドライバ(インパクトレンチ)で
タイヤを外したり、プーリーのボルトを外したりしました。

その電動ドライバは弟から借りたもので、
  • マキタ / TW285
  • 18V
  • 260N・m
という、とてもパワーのある電動ドライバです。
にも関わらず、リアタイヤのボルトが緩むのに30秒くらいかかりました。

木工DIYなら、パワーの強弱によってネジ締めの時間が数秒前後するだけです。
しかし車、バイク整備の場合、パワーの弱い電動ドライバだと
ネジやボルトが緩みません。
なので、多少オーバースペックな機種を選ぶことをオススメします。







3.「プロ用」or「DIY用」

「プロ用電動ドライバ」と「DIY用電動ドライバ」で大きく違う点が何かというと、
  • 耐久性
  • パワー
の2つだろうと思います。
そしてプロ用、DIY用のどちらを選ぶかの判断をするには
  • DIYで使うのにプロ用電動ドライバの耐久性は必要か
  • DIY用電動ドライバのパワーでは足りないのか
を知る必要があります。



3-1.DIYで使うのにプロ用電動ドライバの耐久性は必要か

プロ用電動ドライバの耐久性というのは、
  • 長時間、長期間酷使しても壊れにくい
  • バッテリーを使い回せる
  • 壊れても修理してもらえる、部品を買って自分で直せる
といったようなことだと私は認識しています。
単純な壊れにくさはもちろんのこと、バッテリーを使い回せたり、仮に壊れても
直せることがプロ用電動ドライバの耐久性だと思います。
そして、その耐久性こそ毎日のように仕事で電動ドライバを酷使するプロに選ばれる
理由だと思います。

しかし、年に数回、月に数回しか電動ドライバを使わないDIYユーザーからすると、
プロ用電動ドライバはコストのかけ方が的外れとも言えます。
例えば、レストランで使うような業務用食洗機を家で使っている方は
少ないでしょうし、クリーニング店で使うような業務用洗濯機を家で
使っている方も少ないと思います。

業務用機器が耐久性で優れているのはよく分かりますが、一般家庭で使うには
ちょっとやり過ぎなわけです。これは電動ドライバでも同じです。
あくまで私個人の考えですが、DIYにプロ用電動ドライバの耐久性は不要だと思います。


ただし、DIY用電動ドライバは品質のバラつきが大きいようです。
普通に使えてるというレビューもあれば、3日で壊れたというレビューもあります。
アマゾンなど、保証期間内の交換対応が良いお店で買うことをオススメします。
そういった面倒が嫌だという方は、品質の安定しているプロ用を選ぶのも良い選択です。



3-2.DIY用電動ドライバのパワーでは足りないのか

プロ用とDIY用で電動ドライバのパワーを比較すると
  • 同じバッテリー電圧であれば、プロ用>DIY用の傾向
  • DIY用はスペック通りのパワーがない場合がある
といった感じです。

まず、同じバッテリー電圧だとプロ用電動ドライバの方がパワーがある傾向です。
そう、同じバッテリー電圧だとです。
電動ドライバのバッテリー電圧は前述した通り6種類あります。
DIY用電動ドライバのパワーが弱いなら、バッテリー電圧の高いものを使えばいいんです。
とてもざっくりとしたイメージですが、例えばこんな感じです。
  • 「プロ用10.8Vのパワー」>「DIY用10.8Vのパワー」
  • 「プロ用10.8Vのパワー」≒「DIY用14.4Vのパワー」
  • 「プロ用10.8Vのパワー」<「DIY用18Vのパワー」

とはいえです。
電化製品の分解組立で使う3.6Vの電動ドライバ、家具の組立で使う7.2Vの
電動ドライバはDIY用でまったく問題ありません。
木工DIYで使う10.8Vの電動ドライバもDIY用で問題はないと思いますが、
例えば軽自動車のタイヤを外すのにも使いたいなどがあれば、余裕をもって
14.4V、18VのDIY用電動ドライバをオススメします。

しかしです。DIY用電動ドライバは私の知る限り18Vまでのものしか現状ありません。
なので、プロ用の18V、36Vの電動ドライバと同等のパワーを持つDIY用電動ドライバを
現状見つけるのは困難だと思います。
つまり、車、バイクの整備に限ってはDIY用電動ドライバ
だとパワーが足りない可能性があります。
また、固く締まったボルトを無理やり外すので、耐久性的にも
プロ用電動ドライバの方が安心かもしれません。


それと、同じバッテリー電圧のプロ用電動ドライバのパワーを超える
DIY用電動ドライバをちょくちょく見かけます。
これは測定方法が違ったり、カタログスペック詐欺だったりの可能性があります。
話半分程度で考えておくと良いのではないかと思います。






4.「機構」の種類

「機構」の種類と書きましたが、一般的に言われる電動ドライバの種類です。
「電動ドライバの選び方」を調べると必ず出てきますが、
  • 電動ドライバ(機構なし)
  • 電動ドライバドリル(クラッチ機構搭載)
  • 電動インパクトドライバ(インパクト機構搭載)
上記の3種類があります。
※「電動ドライバ」は「電動のネジ回し全般」を指す言葉でもあります。



私はそうだったんですが、この名前が分かりづらいんですよね。
特に「ドライバドリル」が分かりづらいです。
ドリルってことはネジ回しちゃダメなの?とか思ってしまいます。

なので、それぞれをひとことで説明すると、
  • 電動ドライバ = ただ回るだけ
  • 電動ドライバドリル(弱)= 安全にネジを回せる
  • 電動ドライバドリル(強)= 安全にネジも回せる
  • 電動インパクトドライバ = ネジ回しが楽
という感じです。
電動ドライバドリルは強弱で2種類に分け、全部で4種類です。
長くなってしまったので、次回それぞれの特徴を詳しくご説明したいと思います。



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