aslanです。
電子入札やらネットバンキングやら、会社で使う事務用PCが欲しいと弟が言うので、
ハード、OSの選定とセットアップをしてあげることにしました。
文字通り書類の山と化している弟のデスクを見た結果、私が選んだのは
「NUC (Next Unit of Computing)」
というインテルが販売しているごく小さな、ごく普通のPCです。
型番的には「NUC6i5SYK」で、「i5-6260U(Skylake)」搭載モデルです。
CPUがオンボードで載っていて、メモリとM.2接続のSSDを自前で載せれば動作します。
その本体サイズはDVDより小さいんです。
排熱は大丈夫なのか、事務用とはいえエクセルをストレスなく動かせるくらいのスペックは
あるのか、若干心配ではあるのですがサイズ優先で選んでみました。
驚きのサイズ、でも「i5」搭載 |
最近は秋葉原に行かずアマゾン様でパーツを買ってしまうことが多く、今回も全てアマゾンで
購入しました。届いてビックリしたのはそのサイズ感です。
私はここ最近「Mini-ITX」でしかPCを組みませんが、Mini-ITXで組んでもPCケース、マザーボード、
電源、CPU、SSD、メモリなどなど。片手では持ちきれないほどの荷物になります。
ところが「intel NUC」本体と組み込むパーツを積み上げても、500mlのペットボトルの高さにも
満たないんです。驚きです。
「i5-6260U」というのは主にノートPCで使われるモバイル向けのCPUなんだそうです。
性能としてはミドルエンドのノートPCくらいに考えておけばよいのだろうと思います。
デスクトップ向けの「i5-6400」なんかと比べると性能はそこそこ落ちるんだと思いますが、
それでもCeleronやATOMではなく「i5」というのは心強いなと思ってしまいます。
現時点で「NUC」のラインナップに「i7」搭載モデルはありませんが、もう数年したら動画編集や
CGのレンダリングも、簡単なものならこのサイズのPCで事足りるようになるのかもしれません。
ちなみに、4K30PのYouTube動画を再生させるとカクつくことなく滑らかに再生出来ました。
その時のCPU使用率は15%~20%くらいでした。
大抵のライトユーザーはNUCで事足りるのではないかと思います。
「NUC6i5SYK」主要スペック |
<プロセッサー>
・インテル® Iris™ グラフィックス内蔵の第 6 世代インテル® Core™ i5-6260U
(1.90 GHz ターボ時最大 2.80 GHz、デュアルコア、4MB キャッシュ、15W TDP)
<メモリー>
・デュアルチャネル DDR4 SODIMM (1.2V、2133 MHz、最大32GB)
<グラフィックス>
・インテル® Iris™ グラフィックス 540 (フルサイズ HDMI* 1.4 x 1 / Mini DisplayPort* 1.2 x 1)
<ストレージ>
・M.2 SSD カード (22x42 または 22x80)
・サイドに UHS-I をサポートする SDXC スロット
<ネットワーク>
・インテル® 10/100/1000Mbps
・インテル® Wireless-AC 8260 M.2
・無線アンテナ (IEEE 802.11ac、Bluetooth* 4.1、インテル® ワイヤレス・ディスプレイ 6.0)
<エンクロージャー>
・アルミニウムおよびプラスティック製
・寸法:幅115mm x 奥111mm x 高32mm
<電源アダプター>
・19V、65W 壁掛け式 AC-DC 電源アダプター
・外径5.5m / 内径2.5mmのDCプラグ
<背面>
・ACアダプタの接続口
・HDMI(1.4)
・Mini DisplayPort(1.2)
・LAN(Gbps)
・USB(3.0) x2
・排熱スリット(内蔵FANからの排気)
<前面>
・USB(3.0) x2
・イヤホンジャック
・電源LED
<上面>
・電源ボタン
<左側面>
・SDXCカードスロット(UHS-1)
・ケンジントンロック
・吸気スリット
<右側面>
・吸気スリット
個人的には、電源アダプター、DCプラグ径がごく一般的仕様であることが良いなと思いました。
電源はPCパーツの中で最も壊れやすいパーツなので、秋葉原界隈で入手性のよい
ACアダプターで代用出来る仕様になっているのは素晴らしいです。
あと、2.5インチ、~9.5mm厚のSSD、HDDを搭載したいという方には、「NUC6i5SYH」という
若干厚みの増した兄弟機も販売されています。
それだと内部に2.5インチベイがあり、SATA3接続のSSDなりHDDを搭載可能です。
組み立て |
組み立てといっても、
・メモリ
・M.2接続のSSD
を挿すだけなのですが、簡単に手順を書いておきたいと思います。
本体底面の脚部分にある
ネジ4本を外します。
すると底面の板が外れます。
底面の板が外れると内部に
アクセス出来ます。
写真上部にメモリを挿し、
写真下部にM.2接続のSSDを
挿します。
SSDの規格は2280、2242に
対応しています。
ただし、2242を着ける場合には
SSDを固定するネジの位置を
自分で変更する必要があります。
特別な理由がない限り2280規格を
購入されることをお薦めします。
メモリ、M.2 SSDをインストールすると
こんな感じです。
メモリもSSDも基盤上のコネクタに
挿すだけなのでとても楽です。
作業性も良く好感が持てました。
安定動作させるために |
アマゾンの評価を見るとメモリの相性問題があったり、放熱の面で一般的デスクトップより
不利なのは確実だったり、可愛い外観とは異なりヒト癖あるかなという感じです。
というわけで、アマゾンの評価だったり、ネット上の情報だったり、私の経験だったりを元に
行った「安定動作のための対策」を書いてみたいと思います。
<1.BIOSのアップデート>
これはアマゾンの評価に書かれていた内容ですが、古いBIOSだとメモリの相性問題が
出るという評価を書かれている方がいました。
私は念のためその方が紹介されていた「インテルがテストして動作OKだったメモリ」を
選択しましたが、最近のBIOSであれば相性問題は出ないようです。
「2016/06」に購入したものには「0042」というバージョンのBIOSが入っていました。
「0042」はメモリの相性問題が解決されたバージョンのようですが、念のため「2016/06」時点の
最新バージョン、「0044」にアップデートしました。
下がBIOS画面ですが、グラフィカルですし、マウスも使えますし、USBメモリを挿せば
フォルダ階層もグラフィカルに辿れますし、とても簡単にアップデートできました。
なんと画面キャプチャすら出来ちゃいます。それが下の画像です。
最近のBIOS恐るべしです^^;
BIOS含むドライバ類は「intelサイト」からDL出来ます。
なおDL出来るBIOSには、BIOS上でBIOSアップデートを行う「xx.bio」というファイル、
「xx.EB.EXE」というWindows上で動作するBIOSアップデートツール等があります。
BIOSの操作に慣れた方であればWindowsインストール前に、BIOS上でアップデートしてしまうのが
良いと思います。その場合はUSBメモリ等に入れた「xx.bio」ファイルをBIOS上で指定します。
BIOSはよく分からないという方は、「xx.EB.EXE」のファイルをDLし、Windows上でそのEXEを
実行するのが簡単です。
<2.ドライバのインストール>
汎用的なデバイスであればWindowsに入っているドライバで動作してしまったりもしますが、
「NUC」はドライバを自分でダウンロードしてきてインストールしてやる必要がありました。
安定動作目的ということではありませんが、「ドライバって?」という方には難しいかもしれません。
特にWiFiのドライバも自分で入れる必要があるので、他のPCであらかじめDLしてUSBメモリ等に
ドライバを入れておき、NUCにそのメモリを挿してドライバをインストールする必要があります。
PCに不慣れな方には敷居が高いかもしれません。
参考までに、私がインストールしたドライバ類は以下です。
なお、ドライバ類はBIOSと同じ場所からDL出来ます。
・チップセットデバイスソフトウェア
・グラフィックスドライバ
・ギガビットネットワークコネクションのドライバ(有線LANを使う場合は必要)
・ワイヤレステクノロジーベースのドライバ(無線LANを使う場合は必要)
・RealtekALCオーディオドライバ(HDMI、DPから音を出す場合には不要)
<3.更新プログラムのインストール>
BIOSを最新にし、Windows10 64bit版をクリーンインストールし、ドライバ類もインストールし、
問題なく動作していると思いきや、CPU使用率が常に40%を超えていることに気がついたのです。
タスクマネージャーのパフォーマンスを見てみると、
「システムと圧縮メモリ」
が40%を常に超えているという状態でした。
これは調べてみるとWindows10の問題のようで、「Windows Update」で更新プログラムを
全て入れたところ問題が解消しました。
排熱的にどう見ても不利なNUCで、何も処理していないのにCPU使用率が常に40%を超える
なんてことはあってはならないことです。
Windowsはこの手の問題が頻発するので、特に小型PCを使う際には注意が必要だと思います。
<4.マウス、キーボード操作によるスリープ解除設定をOFF>
私はエコの観点から、電気代節約の観点から、セキュリティ上の観点から、ハードウェアの
劣化防止の観点から、PCを使わない時はスリープモードにしています。
これからの季節であれば、クーラーのかかっていない室温40度近い状況で、熱くなると
評判のM.2 SSD内蔵の超小型PCが起動していたら、そりゃ劣化も加速するだろうと思うわけです。
それを避けるため、30分操作がなければスリープするという設定は必須だと思います。
しかしもう一つ大事なのは、スリープから無駄に復帰しないことだと思います。
USBマウス、キーボードはスリープ時に触るとスリープが解除されPCが起動します。
これは便利なようで、意図せずPCを起動させてしまうことにもなってしまいます。
Wake On Lanなども同様ですが、意図せずスリープが解除されないように設定しておくことを、
排熱性能の低い小型PCでは強くお薦めします。
以上参考にしていただけば幸いです。
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